カメリアクリニック小児科に勤務時代に大村の広報に掲載された文章です
こどもの腹痛 尹 忠秀
腹痛はこどもによく見られる症状の一つですが年齢によって痛みの表現はさまざまであること、発熱や咳と違い外から見ただけではわかりにくいことが特徴です。機嫌が悪くてグズグスいっていたのが腸重積だった、おなかが痛いといっていたのが喘息発作の呼吸困難だったといった話はよく聞かれます。
痛みをうまく表現できない乳幼児の場合には食欲がない、元気がないといったいつもと様子が違うことに周囲が気づいてあげることが大切ですし、年長児でもおなか以外に変わった様子がないかよく観察することが必要です。
こどもの腹痛の原因で一番多いのは便秘といわれています。軽い腹痛のときにはまずトイレに連れて行って排便を促すだけで改善することがしばしばあります。乳幼児の場合は綿棒で肛門を刺激したり市販の浣腸を使用する方法もあります。おなかを温めるのも痛みを和らげるのに有効です。
一方で、痛みの強いとき、顔色が悪いとき、嘔吐を伴うとき、ぐったりしているときなどは時間とともに悪化することがあるため早めに受診してください。また痛がる場所がへそから離れているほど病気が隠れている可能性が高いとされており注意が必要です。
病院を受診する際には家族や周囲に腹痛・嘔吐・下痢の人がいないか、食事の内容や摂取量、排便や排尿の頻度、便の性状、痛みの持続時間や痛がっていたときの様子などの情報を伝えることも重要です。できるだけ詳しい様子がわかる人と受診するようにしてください。
また小児の腹痛では不用意に抗生剤や下痢止めを服用すると症状がひどくなる場合もあります。家にある薬を適当に飲むのではなく症状に合わせた薬を服用するようにしましょう。
冷たいものの食べ過ぎや食中毒などが増えて来る季節です。健康管理には十分注意しましょう。
2016年01月25日
こどもの腹痛
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2015年06月09日
4価髄膜炎菌ワクチン「メナクトラ」の接種を始めます
おひさまこどもクリニックでは2015年7月より4価髄膜炎菌ワクチン「メナクトラ」の接種を始めます。
接種対象者はアフリカの通称「髄膜炎ベルト」周辺国に行かれる小児とその保護者、髄膜炎ワクチンの接種が必要な国(米国等)に行かれる方です。
髄膜炎菌髄膜炎(侵襲性髄膜炎菌感染症)については厚生労働省のFORTHをご参照ください
あらかじめ外来を受診(自費診療)していただき、そのほかのワクチンの接種スケジュールを決めてからとりよせます。電話で受診の連絡をお願いします。
とりよせまで1週間前後かかりますので時間的余裕を見て予約しましょう。
接種は1回のみで25000円です。
成人のみの場合は専門医のいる三菱病院の海外渡航外来での相談・接種をお願いします。
外務省の「世界の医療情報」によりますと、メナクトラの接種が勧められているのは以下の国々です。
モロッコ、モーリタニア、南スーダン、マリ、マラウイ、ベナン、ブルキナファソ、ニジェール、ナイジェリア、トーゴ、タンザニア、セネガル、スーダン、ザンビア、コートジボワール、ケニア、ギニア、カメルーン、ガーナ、エチオピア、エジプト、ウガンダ、アンゴラ
海外渡航者向けのワクチンですが、持病等で接種が必要な場合は主治医からの紹介状をお願いいたします。
接種の必要性なども含めて、お電話での相談はできませんのであらかじめご了承ください。
接種対象者はアフリカの通称「髄膜炎ベルト」周辺国に行かれる小児とその保護者、髄膜炎ワクチンの接種が必要な国(米国等)に行かれる方です。
髄膜炎菌髄膜炎(侵襲性髄膜炎菌感染症)については厚生労働省のFORTHをご参照ください
あらかじめ外来を受診(自費診療)していただき、そのほかのワクチンの接種スケジュールを決めてからとりよせます。電話で受診の連絡をお願いします。
とりよせまで1週間前後かかりますので時間的余裕を見て予約しましょう。
接種は1回のみで25000円です。
成人のみの場合は専門医のいる三菱病院の海外渡航外来での相談・接種をお願いします。
外務省の「世界の医療情報」によりますと、メナクトラの接種が勧められているのは以下の国々です。
モロッコ、モーリタニア、南スーダン、マリ、マラウイ、ベナン、ブルキナファソ、ニジェール、ナイジェリア、トーゴ、タンザニア、セネガル、スーダン、ザンビア、コートジボワール、ケニア、ギニア、カメルーン、ガーナ、エチオピア、エジプト、ウガンダ、アンゴラ
海外渡航者向けのワクチンですが、持病等で接種が必要な場合は主治医からの紹介状をお願いいたします。
接種の必要性なども含めて、お電話での相談はできませんのであらかじめご了承ください。
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| 治療方針
2012年08月28日
臍ヘルニア(でべそ)について 再
最近、1歳過ぎの臍ヘルニアのお子さんの来院が続きました。
健康上は問題ないのですが、美容上の問題を解決するには手術しか方法がありませんでした。
おそらくホームページを見て、圧迫療法に期待して受診されたようですが年令的に効果は期待できないことを説明するだけに終わってしまいました。
臍ヘルニアへの出生後早期からの綿球圧迫療法は十分効果があると思います。
おへそが早くへっこむ、皮膚のたるみを予防できる、手術が必要になる可能性を減らせるという意見もあります。
ただし、生後6か月を過ぎると効果が出にくくなり、1歳頃から始めても効果は期待できません。
この治療法を取り入れている大きな医療機関では国立病院機構岡山医療センター、兵庫県立塚口病院、昭和大学病院小児外科などがあり、そのほかにも一覧がこちらにあります。
どうしてこの治療法が普及しないのか考えると以下のような理由が挙げられます。
(1)
昔に比べるとかぶれにくいテープや、透湿性の高い蒸れないフィルム剤など医療材料の進歩があり、以前はかぶれなどのためできなかった圧迫療法を現在では安全にすることができるようになっていることを医師が実感できない
(2)
そもそも「軽い」と思われている疾患なので、真剣に治療法と予後を考える医師が少ない
(3)
大きな病院で比較試験をするような疾患ではないのでエビデンスは集まりにくく、教科書が書き換わらない
圧迫療法をすれば確実に治せるというわけではありませんが、簡単な処置ですので相談してみてはいかがでしょうか。
赤ちゃんの出べそはかわいらしいですが、やっぱり大きい子の出べそはかわいそうです。
健康上は問題ないのですが、美容上の問題を解決するには手術しか方法がありませんでした。
おそらくホームページを見て、圧迫療法に期待して受診されたようですが年令的に効果は期待できないことを説明するだけに終わってしまいました。
臍ヘルニアへの出生後早期からの綿球圧迫療法は十分効果があると思います。
おへそが早くへっこむ、皮膚のたるみを予防できる、手術が必要になる可能性を減らせるという意見もあります。
ただし、生後6か月を過ぎると効果が出にくくなり、1歳頃から始めても効果は期待できません。
この治療法を取り入れている大きな医療機関では国立病院機構岡山医療センター、兵庫県立塚口病院、昭和大学病院小児外科などがあり、そのほかにも一覧がこちらにあります。
どうしてこの治療法が普及しないのか考えると以下のような理由が挙げられます。
(1)
昔に比べるとかぶれにくいテープや、透湿性の高い蒸れないフィルム剤など医療材料の進歩があり、以前はかぶれなどのためできなかった圧迫療法を現在では安全にすることができるようになっていることを医師が実感できない
(2)
そもそも「軽い」と思われている疾患なので、真剣に治療法と予後を考える医師が少ない
(3)
大きな病院で比較試験をするような疾患ではないのでエビデンスは集まりにくく、教科書が書き換わらない
圧迫療法をすれば確実に治せるというわけではありませんが、簡単な処置ですので相談してみてはいかがでしょうか。
赤ちゃんの出べそはかわいらしいですが、やっぱり大きい子の出べそはかわいそうです。
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2012年05月19日
出べそについて
「どんなクリニックにしますか?」と尋ねられることがあるのですが、特殊な検査や治療が出来るわけではないので、「普通の一般小児科です」と答えています。
唯一、特別な(珍しい?)治療といえば、臍ヘルニア、いわゆる出べその綿球圧迫療法でしょうか。長崎の小児科ではあまり実施されていないのですが、小児外科の先生方を中心に徐々に普及しています。
現在でも教科書には出べそは何もしなくても大部分は1歳までに自然に治まると書かれています。しかし一部の人は治らずに手術をしたり、治ってもおヘソに弛みが残ったりします。
今のところ私の経験では綿球圧迫療法をすると比較的綺麗に治まって、皮膚のたるみも気になることはありませんでした。
綿球圧迫療法はその名の通り出べそを綿球で圧迫して、防水透湿性のテープで押さえるだけの治療法です。早い人は2週間、きのこのような大きな出べそでも3ヶ月ほどで治まることが多いようです。
本当に効いているのか、自然に治まっているだけでは?と聞かれることがあるのですが、これを厳密に証明するのは大変難しい問題です。
ですが、出べそが治ったので圧迫をやめたところ、数日後大泣きした拍子に出べそが再発してしまった方が今までにお二人いらっしゃいます。再開すると再び治ったので、やはり圧迫療法に効果があったのだろうと思います。
出べそが気になる方で、綿球圧迫療法を試してみたい方がいらっしゃれば6月1日以降に受診していただければ対応できます。
唯一、特別な(珍しい?)治療といえば、臍ヘルニア、いわゆる出べその綿球圧迫療法でしょうか。長崎の小児科ではあまり実施されていないのですが、小児外科の先生方を中心に徐々に普及しています。
現在でも教科書には出べそは何もしなくても大部分は1歳までに自然に治まると書かれています。しかし一部の人は治らずに手術をしたり、治ってもおヘソに弛みが残ったりします。
今のところ私の経験では綿球圧迫療法をすると比較的綺麗に治まって、皮膚のたるみも気になることはありませんでした。
綿球圧迫療法はその名の通り出べそを綿球で圧迫して、防水透湿性のテープで押さえるだけの治療法です。早い人は2週間、きのこのような大きな出べそでも3ヶ月ほどで治まることが多いようです。
本当に効いているのか、自然に治まっているだけでは?と聞かれることがあるのですが、これを厳密に証明するのは大変難しい問題です。
ですが、出べそが治ったので圧迫をやめたところ、数日後大泣きした拍子に出べそが再発してしまった方が今までにお二人いらっしゃいます。再開すると再び治ったので、やはり圧迫療法に効果があったのだろうと思います。
出べそが気になる方で、綿球圧迫療法を試してみたい方がいらっしゃれば6月1日以降に受診していただければ対応できます。
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