2012年08月28日

臍ヘルニア(でべそ)について 再

最近、1歳過ぎの臍ヘルニアのお子さんの来院が続きました。
健康上は問題ないのですが、美容上の問題を解決するには手術しか方法がありませんでした。

おそらくホームページを見て、圧迫療法に期待して受診されたようですが年令的に効果は期待できないことを説明するだけに終わってしまいました。

臍ヘルニアへの出生後早期からの綿球圧迫療法は十分効果があると思います。

おへそが早くへっこむ、皮膚のたるみを予防できる、手術が必要になる可能性を減らせるという意見もあります。

ただし、生後6か月を過ぎると効果が出にくくなり、1歳頃から始めても効果は期待できません。

この治療法を取り入れている大きな医療機関では国立病院機構岡山医療センター兵庫県立塚口病院昭和大学病院小児外科などがあり、そのほかにも一覧がこちらにあります。


どうしてこの治療法が普及しないのか考えると以下のような理由が挙げられます。
(1)
昔に比べるとかぶれにくいテープや、透湿性の高い蒸れないフィルム剤など医療材料の進歩があり、以前はかぶれなどのためできなかった圧迫療法を現在では安全にすることができるようになっていることを医師が実感できない

(2)
そもそも「軽い」と思われている疾患なので、真剣に治療法と予後を考える医師が少ない

(3)
大きな病院で比較試験をするような疾患ではないのでエビデンスは集まりにくく、教科書が書き換わらない



圧迫療法をすれば確実に治せるというわけではありませんが、簡単な処置ですので相談してみてはいかがでしょうか。

赤ちゃんの出べそはかわいらしいですが、やっぱり大きい子の出べそはかわいそうです。
posted by ohisama-kids at 17:51| Comment(0) | 治療方針
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