2016年01月25日

こどもの腹痛

カメリアクリニック小児科に勤務時代に大村の広報に掲載された文章です

こどもの腹痛 尹 忠秀

腹痛はこどもによく見られる症状の一つですが年齢によって痛みの表現はさまざまであること、発熱や咳と違い外から見ただけではわかりにくいことが特徴です。機嫌が悪くてグズグスいっていたのが腸重積だった、おなかが痛いといっていたのが喘息発作の呼吸困難だったといった話はよく聞かれます。
痛みをうまく表現できない乳幼児の場合には食欲がない、元気がないといったいつもと様子が違うことに周囲が気づいてあげることが大切ですし、年長児でもおなか以外に変わった様子がないかよく観察することが必要です。

こどもの腹痛の原因で一番多いのは便秘といわれています。軽い腹痛のときにはまずトイレに連れて行って排便を促すだけで改善することがしばしばあります。乳幼児の場合は綿棒で肛門を刺激したり市販の浣腸を使用する方法もあります。おなかを温めるのも痛みを和らげるのに有効です。
一方で、痛みの強いとき、顔色が悪いとき、嘔吐を伴うとき、ぐったりしているときなどは時間とともに悪化することがあるため早めに受診してください。また痛がる場所がへそから離れているほど病気が隠れている可能性が高いとされており注意が必要です。

病院を受診する際には家族や周囲に腹痛・嘔吐・下痢の人がいないか、食事の内容や摂取量、排便や排尿の頻度、便の性状、痛みの持続時間や痛がっていたときの様子などの情報を伝えることも重要です。できるだけ詳しい様子がわかる人と受診するようにしてください。

また小児の腹痛では不用意に抗生剤や下痢止めを服用すると症状がひどくなる場合もあります。家にある薬を適当に飲むのではなく症状に合わせた薬を服用するようにしましょう。

冷たいものの食べ過ぎや食中毒などが増えて来る季節です。健康管理には十分注意しましょう。
posted by ohisama-kids at 17:19| Comment(0) | 治療方針
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